前年型からRC30がベースになったRVF750

ベースは1987年登場の市販VFR750R。ホモロゲーションモデルとしてFRPカウル、チタン合金コンロッド、クロームモリブデン浸炭鋼製カムシャフトなど豪華装備。ドミニク・サロンとアレックス・ビエラがホンダの牙城を守った。
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終盤、エキゾーストにクラックが入るというトラブルが発生するが、そのまま走りきってRVF750はゴールに導かれた。D.サロンにとっては、1986年以来の鈴鹿8耐の勝利だった。 オートバイ/モーターマガジン社
1986年型ワークスRVF750をベースに、1987年8月に発売されたVFR750R/RC30は、今でも多くのファンに愛される名車です。TT-F1よりも改造範囲の狭いスーパーバイクレギュレーションをにらんで作られた、RC30をベースとするワークスRVF750が登場したのは1988年からでした。
RC30はVFR750Fに対し、カム・ドライブ機構のデザイン変更がされていたのが特徴で、より小さなカムギアを使用することが可能となっており、さらなる高回転化対応を果たしていました。2リング式のピストンやチタンコンロッドなども、従来の量産車にはないレーススペックな装備です。
1989年は本命のワイン・ガードナー/ミック・ドゥーハン組のRVF750が転倒で戦列を離れてしまいましたが、世界耐久選手権を走るドミニク・サロン/アレックス・ビエラ組(BEAMSホンダイクザワ)が首位に立ち、202周を走りホンダの鈴鹿8耐タイトル奪回を果たしました。
なお1989〜1990年は、世界耐久選手権は「FIM 耐久カップシリーズ」となっており、この2年間はワールドチャンピオンではなく「ワールドカップ」のタイトルが授与されていました。1989年鈴鹿8耐久ウィナーのA.ビエラは、ホンダで2つのタイトルを獲得しています。