"コカ·コーラ"鈴鹿8耐の歴史のなかで、多くの人々の記憶のなかに残るマシンたちを紹介する連載です。今回は1986年大会に、3位表彰台を獲得したヨシムラのスズキGSX-R750です!

序盤のトラブルを克服しての表彰台獲得!

この年のヨシムラは昨年度大会で3位表彰台を獲得したケビン・シュワンツと、国内エースである辻本聡のコンビに、独自のチューニングを施したスズキGSX-R750を託しました。

レース序盤、シフトのチェンジリンク破損というトラブルで、予定外の5分少々のピットインを強いられたシュワンツ/辻本組でしたが、5時間過ぎには3位に浮上。そしてそのポジションを守って昨年に続く鈴鹿8耐の3位表彰台を獲得しています。

前後にイタリアのテクノマグネシオ製マグネシウム合金製ホイールを装着。スタンダード車は前後18インチでしたが、ヨシムラTT-F1マシンはフロントに17インチを採用しています。磨き込まれたフレームは、この時代のヨシムラレーサーの個性でした。 オートバイ/モーターマガジン社

当時のヨシムラGSX-R750は、フェアリングのスクリーン位置が低いのが特徴で、精悍な印象を見る者に与えました。またスクリーン前面には、15個の穴が設けられました。なおヨシムラカラーは1984年まで黒/赤でしたが、その後ガンメタリック/赤に変更されています。 オートバイ/モーターマガジン社

当時のGSX-R750の個性でもある油冷4気筒エンジンは、0.7mmのボアアップで規定いっぱいの排気量を獲得。コンロッドはアメリカのキャリロ製のH断面クロモリ鋼コンロッドを使用。エキゾーストは排気ポート直後の部分を筒状チャンバーで接続する「デュプレックス・サイクロン」を用いていました。

ワークス相手に奮闘し、2年連続表彰台という立派な結果を残したヨシムラですが、補機の少なさから機関重量が軽く仕上がるものの、冷却能力には水冷エンジンに劣る油冷エンジンの劣勢は否めませんでした。そのため1987年以降は、より冷却効率の高いラウンドタイプのオイルクーラーや、シリンダーヘッド経路側に追加するツイン・オイルクーラー仕様が登場することになりました。

その迫力のサウンド・・・そして青いヘッドライトの光を、こちらの動画でご確認ください!

'86 ヨシムラGSX-R750 TT-F1

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