今年第40回記念大会を迎える”コカ·コーラ"鈴鹿8耐。この、日本で最も有名なロードレースイベントに1度でも優勝することはすべてのライダーにとって大きな名誉でありますが、過去39大会の歴史のなかには1度ならず、複数回優勝したグレートライダーが存在します。この連載は、そんな8耐マルチ-タイム・ウィナーを紹介していきます。今回は、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームで大活躍した、ポル・エスパルガロです。
圧勝劇を支えたMotoGPライダーの実力!
2015年、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの一員となったポル・エスパルガロは、ともに起用されたブラッドリー・スミスとともに、モンスター・ヤマハ・テック3でMotoGPに参戦していました。久しく鈴鹿8耐に参戦するGPライダーがいなかった当時、彼らふたりの参戦の報は大きな話題となりました。
とりわけ、エスパルガロのインパクトは強烈でした。予選のトップ10トライアルでは、驚異の2分6秒台のスーパーラップを記録! さすがは現役MotoGPライダーと、多くの観衆をうならせることになりました。決勝でもエスパルガロ、スミス、そして中須賀克行の3人の勢いは衰えず、見事ワークス復帰戦を勝利することになります。
2016年は同じチームで、中須賀、そして新加入のアレックス・ローズと組んで参戦。トップ10トライアルでは中須賀とともに2分6秒台を記録し、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの強さをさらに印象付けました。そして下馬評どおり、再び圧勝で連覇に成功します。
1991年、スペインのカタルーニャ州生まれのポルには、2歳年上のアレイシがおり、ふたりとも現役のMotoGPライダーとして活躍しています。現在ポルはKTMと契約しているため、鈴鹿8耐に登場することは残念ながら当分ないと思われます。でも、彼の鈴鹿8耐での速さを知る者のひとりとしては、また再び鈴鹿8耐の舞台に、なるべく早く帰ってきて欲しい・・・と思ってしまいます。