昨年の第40回大会で9年ぶりに鈴鹿8耐に復帰した日本のコンストラクターの雄であるモリワキが、今年度の鈴鹿8耐の体制を発表しました! プライベーターとして独自のアプローチを展開する、モリワキの今年の夏の戦いぶりに注目したいです!

チーム名は「KYB MORIWAKI MOTUL RACING」!

今年度のライダーのラインアップは昨年と同じメンバーで、全日本JSB1000を戦う高橋裕紀、清成龍一、そしてBSB(英国スーパーバイク選手権)に参戦するダン・リンフットの3名です。昨年はリンフットがリザーブ扱いで、高橋と清成の2名のみが決勝を走りましたが、今年はリンフットも決勝を走ることになりそうです。

今期ホンダ・レーシングからBSBに参戦するリンフットが怪我で欠場することになったBSB第3戦オウルトンパーク(5月5〜7日)に、元BSB王者の清成が代役参戦することになり話題となったのは記憶に新しいところです。ライダーが前年と変わらないということは、ポジション合わせなどのデータが流用できることや、チームワーク的なメリットがありますので、このことは今年のモリワキの戦いにプラスはたらくことになるでしょう。

6月の全日本第4戦スポーツランドSUGOでは、レース1/2では7/9位に入った清成龍一(ホンダ)。

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ピレリタイヤで、常勝ブリヂストンタイヤに挑む!

チーム名にあるKYBは、サスペンションメーカーのKYBのことです。長年モリワキはKYBと密接な協力関係を築いており、古くはカワサキZエンジンを搭載するスーパーバイクやTT-F1マシン、そして21世紀に入ってからはMotoGP / Moto2用モリワキオリジナルレーシングシャーシの開発でも、KYBはモリワキのマシン作りに大きな役割を果たしています。今年の鈴鹿8耐用マシン、「ホンダCBR1000RR モリワキ改」においても、KYBとの協力体制の強化が戦闘力向上の推進力となることが期待できるでしょう。

全日本第4戦スポーツランドSUGOで、レース1/2で8/6位となった高橋裕紀(ホンダ)。

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なおモリワキは、全日本のトップチームの多くがブリヂストンタイヤを採用するなか、ピレリタイヤを選択しています。2006年以降の鈴鹿8耐は常にブリヂストンがウィナーズチョイスになっていますが、そんなブリヂストン強し! の状況にかかわらずピレリを選択するところにも、他と同じ穴を掘らないモリワキらしさを感じさせます。

今年のJSB1000では高橋、清成ともに表彰台をゲットしておりますので、ピレリタイヤの戦闘力は確実に向上していることがうかがえます。夏の鈴鹿にマッチしたタイヤを用意することができれば、転倒で27位に沈んだ昨年の屈辱を晴らす成績を今年は残すことができるでしょう! 

ワークスチームの運営代行・・・のような形態を有力チームながら選ぶことなく、独自のレース哲学の実践を1970年代から長年貫き通すモリワキは、日本のロードレース史においても稀有な存在です。今年のモリワキの夏の戦いに注目したいですね!