今回はレース観戦するときに知っておきたい用語についてお勉強しましょう。8耐に限りませんが、レースの解説を聞くとたまに「インラップ」、「アウトラップ」という言葉を耳にします。
“インラップ”、“アウトラップ”ってなーに?
レースでは“ラップタイム”という言葉もよく聞きますよね。鈴鹿8耐では“サイティングラップ”という用語も使われるそうな…。ん〜なんだか複雑です。
ということでさっそく聞いてみましょう!教えて、8耐マスター 宮﨑さ〜ん!
ライバルに勝つために大事な周回・・・でもあります
ラップというのはみなさんご存知ですね? そうです、悪そうなヤツが「YO〜、YO〜、チェキラ! みんな8耐来ちゃいなYO〜」というアレです・・・。せっかくの春の陽気が嬉しい季節に、サムいこと書いてすみませんでした(反省)。レース用語のラップ(スペルはLAPで、RAPではありません)は、周回の意味です。
F1をはじめ4輪レースでは、予定されたピットインが決勝レース中にあることが多いですが、2輪の場合は予定されたピットイン・・・というのは耐久レースに限られていると言えます(スプリントレースは一般に、トラブルがない限りピットインはせず、ひたすらチェッカーを目指します)。
インラップ(IN-LAP)はピットインする直前の周回、アウトラップ(OUT-LAP)はピットアウトしてからの最初の周回・・・を指しています。
インラップのときは、1スティント(鈴鹿8耐の場合26〜27周くらい)を走り抜いたライダーが最後の気力を振り絞り、ライダー交代・タイヤ交換・給油などの作業で待機するチームのもとへ戻って来ます。これらの作業にはだいたい20秒以内の時間が必要ですし、コース上と異なりピットレーンは60km/h速度制限もありますので、インラップのタイムはどうしても通常のラップよりは大幅にかかってしまいます。
またアウトラップも、制限速度のあるピットレーンからコース上に戻り、まだ摩擦による熱が十分に入っていないことなどの理由で、100%性能を発揮していないタイヤで序盤のコーナーを攻めることになるので、やはりインラップ同様に通常のラップよりも遅いタイムになってしまいます(交代で最初の決勝走行になる第2、3ライダーにとっては、キンチョーもありますしね・・・)。
このインラップとアウトラップのタイムロスをいかに少なくするか・・・が、8耐で順位の近いライバルに打ち勝つには非常に大事になります。インラップとアウトラップを、慎重かつ大胆に攻めて良いタイムを出すことで、ライバルに対するタイムのアドバンテージを稼げるからです。
インラップとアウトラップで、各ライダーがどれだけのパフォーマンスを発揮するか・・・これもスケジュールされたピットインが組み込まれている耐久レースの醍醐味のひとつです。とりわけ「8時間スプリント」と称される鈴鹿8耐では、インラップとアウトラップの頑張りの大事さは、より大きいと言えるでしょう。