1985年、ヤマハFZR750をおそった二つの"悲劇"・・・
鈴鹿8耐ファンで、1985年の平忠彦とケニー・ロバーツが駆ったヤマハFZR750(0W74)の悲劇・・・を知らない方はいないでしょう。
ゴールの8時間まで残り30分・・・独走しながらそこで力尽きたFZR750ですが、その後FZR750はゴロワーズのカラーリングを身にまとい、フランスのソノートからボルドール24時間耐久に参戦しています。クリスチャン・サロン/ジャック・コルヌー/ティエリー・エスピ組のFZR750は、ボルドールでもポールポジションを獲得するなどその実力を遺憾無く発揮しました!
しかし鈴鹿に続きボルドールでも悲劇が・・・残り4時間ほどのコルヌーの乗車時にFZR750のエンジンはストップ・・・。優勝はクリスチャンの弟であるドミニク・サロンらが駆るホンダRVF750にさらわれることになりました・・・。
このカスタムバイク、欧州のドラッグレースに参戦予定なのです!
さて、ベルギーのワークホース・スピード・ショップが手がけたこのドラッグマシン・・・ベースはヤマハXSR700なのですが、その原型がわからないくらいにモディファイされています!
このカスタム・ドラッグスターの最大のスタイリングの特徴は、FZR750(0W74)にインスパイアされた青いカラーリングのフェアリングですね。なんと、ボディワークはすべてアルミ製とのことで、製作者のブライス・ヘンネベルトさんの技術の高さがうかがえます。
このドラッグスターはただの展示用ではなく、「サルタンズ・オブ・スプリント」という欧州各地を転戦するシリーズ戦に参加します。
初戦は5月19〜20日のイタリア・モンツァの「ザ・リユニオン」。その後、6月29日〜7月1日のベルギー・スパフランコルシャンの「バイカーズ・クラシックス」、8月29日〜9月2日のドイツ・レオンバーグの「グレムセック101」、9月23〜24日のフランス・サン=ラファエルの「ダンディ・ライダーズ・フェスティバル」と続きます。
なんと毎戦、ゲストライダーがこのマシンに乗るとのことで、初戦はGMT94ヤマハでFIM EWC(世界耐久選手権)を戦うニコロ・カネパが参戦する予定とのこと! 参加車中最も小排気量なXSR700ベースのこのドラッグスターが、どれだけの走りを見せるのか・・・注目しましょう!