2018年7月20日追記:2017年4月15日に公開されたコンテンツを一部更新しました。
レースの勝敗を大きく左右する重要なカギとなるのは、なんといってもピットワークでしょう。バイクレースの素早いピットワークって、走行している様子を見るのと同じくらいけっこう見所だったりしますよね。
8時間走り続けるとなると、気になるのがピットインの頻度。
8時間耐久レースでは、ピットインって何回するの?
雨が降ったらタイヤも交換しなくちゃいけないし、こまめにメンテナンスをしないとトラブルの元になってしまうかもしれないし。かといって、頻繁にピットインしすぎて時間のロスな気がしますし…。その辺の作戦ってとっても難しそう。
そこのところ気になる!教えて?8耐マスター宮崎さん〜!
勝利のためには7回ピット・・・が基本
まず、Akiko記者の質問にお答えします。何回ピットインしようと、それは自由だぁ〜〜〜(笑)。
もっともAkiko記者が書いているとおり、頻繁にピットインするのは時間のロスに他ならないのも事実です。ピットロードは安全のため速度制限があるのでコース上のように速く走れませんし、ピット作業で費やされる時間は、コース上でライダーが攻めて削って積み上げたタイムを、どっさり吐き出してしまうことになりますからね・・・。
上位チームの優れたクルーたちは、燃料タンクに給油して、前後タイヤ交換する作業を20秒以内で終わらせます。そんなに速いの! と思いますが、仮に20秒先を走るライバルに追いつくのは、大変な仕事をライダーに強いることになります。1周あたり0.2秒速く走ったとしても、それを10周続けたところで詰まるのは2秒・・・。ピットイン回数は、少ないに越したことはありません。
近年の鈴鹿8耐では、表彰台をねらうには7回ピットストップ、8回スティントが基本と言えるでしょう。スティントとは、1名のライダーが担当する周回数で、燃費との兼ね合いになりますが、7回ピットストップにおさめるには、1スティントで27〜28周くらい走ることになります。燃費は雨などの天候条件、ペースカーの介入などの展開次第で変化しますが、何もなければ7km/ℓ以下・・・と言われますので、だいたいこれくらい1回で走らないといけないワケです。
2014年大会からは、予選と決勝で使えるタイヤの本数が制限されているので、場合によっては最後のピットインではタイヤ交換しないで、そのまま走ることもありますが、ともあれ7回ピット、8回スティント・・・ということを基本にシミュレーションして、勝利や上位入賞をねらうチームは戦略を考えています。そして、そのとおりに決勝レースで実践できるように、事前にピット作業のトレーニングに励むのです・・・。
こちらの動画は、ヨシムラの2013年のピット作業の練習風景です。わずか20秒の動画に、彼らの熱意と「本気」を感じ取ってください!