このコーナーは、鈴鹿8耐の基礎知識、詳しいルールをもっともっと知りたい!という人ための"鈴鹿8耐"知識が初心者向けの連載です。「鈴鹿8耐のいろいろ」をたくさん学んで、今年もっともアツいイベント鈴鹿8耐に便乗しましょう!!
2018年3月15日追記:こちらのコンテンツは2017年4月12日に公開された記事を最新版に更新しています。
バイクレースの大会ってよく250ccクラスや、600cc、1,000ccのクラスなど、排気量によって出場するクラスが分かれていたりしますよね?鈴鹿8耐は排気量で基準などあるのでしょうか?
8時間も走るので、さすがに250ccバイクで走るのは無謀かな〜というのはなのはなんとなく予想はつきますけど…(笑)。
鈴鹿8耐。一体何ccのバイクが出場できるの?
そこのところ、詳しく知りたい!それではさっそく聞いてみましょう。
レースのこと、マシンのこと、そして鈴鹿8耐のことを聞くならこのお方しかいません!ただいま早くもこの鈴鹿8耐スペシャルサイトにて、大人気コンテンツ鈴鹿8耐歴代マシンを連載中の8耐マスター 宮崎さん!教えて〜〜!
時代によって、変わっていった上限排気量
まずは現在の排気量上限・・・・から解説します! 現在の排気量に関するレギュレーションは、基本的にスーパーバイクルールと考えていただいて結構です。つまり、量産公道車をベースとする4ストローク1,000ccの4気筒と1,200ccの2気筒・・・となっています。
SBK=世界スーパーバイク選手権、BSB=英国スーパーバイク選手権、JSB=全日本スーパーバイク選手権、モトアメリカのスーパーバイク、そしてEWC=世界耐久選手権でおなじみの、カワサキZX-10R、ヤマハYZF-R1、ホンダCBR1000RR、スズキGSX-R1000、そしてドゥカティパニガーレR、BMW S1000RR、アプリリアRSV4、KTM RC8が2016年の鈴鹿8耐には出場していました。
なお1,000ccの4気筒が出場できるようになったのは2003年からで、これはSBKのルール変更に準じたものです。スーパーバイクルールが8耐に導入された1994年から2002年までは、2気筒1,000cc、4気筒750ccが上限でした。
スーパーバイクルールが適用されるまで・・・1993年以前の鈴鹿8耐は、TT-F1ルールでした。TT-F1はスーパーバイクよりも改造範囲が広く、基本フレームなどは改造自由で、エンジンも大幅な改造が許されていました。このTT-F1というカテゴリーは、1977年から1990年まで欧州を主な舞台にシリーズ戦として開催されましたが、SBKが1988年に成立したことの影響でその終焉を迎えることになりました。なお日本でも、全日本選手権としてTT-F1クラスが1984年から1993年まで存在し、国内のロードレースブームの盛り上げに寄与していました。
TT-F1も発足時は1,000ccが上限でしたが、アメリカのAMAでは1982年限りに、そして世界選手権のTT-F1では1983年限りにルールが変更となった影響で、鈴鹿8耐の上限も1984年からは新しいTT-F1ルールの750cc・・・となったのです。ただし、TT-F1ルールは4ストローク600cc以上、そして2ストロークは350〜500ccという規定でしたので、4ストロークスーパースポーツのホンダCBR600Fや、スズキRG500Γなどの2ストロークで8耐に参加するマシンも当時はいました。
なお、初の鈴鹿8耐だった1978年には「量産市販車のクランクケース使用」というルールも当時はなかったため、ヤマハTZ750(2ストローク750cc4気筒)などの、市販ロードレーサー(F750マシン)ベースの耐久レーサーも走っていました。
ちなみに1997年からは鈴鹿8耐活性化のねらいで、S-NK(スーパーネイキッド)クラスが新設されました。この初年度はヤマハYZF1000サンダーエース、ホンダCBR1100XXスーパーブラックバード、スズキGSF1200が出場し話題を集めましたが、これらの大排気量車は、750ccのファクトリー・スーパーバイクに比べるとはるかに戦闘力が見劣りするものでした。排気量が大きければ速い・・・というワケでは決してないのですね。
このスーパーバイク枠以外のS-NKクラスは翌1998年はXフォーミュラ(800cc以上・改造自由)とNK1(スチールパイプフレーム・4気筒750cc以上)に細分化されましたが、FCCテクニカルスポーツのホンダCBR900RRが総合15位に食い込んだのが最上位でした。
なおこれらのXフォーミュラ系では、鈴鹿8耐に勝った例がひとつだけあります! それは何年の、どのマシンだったかは・・・私の連載鈴鹿8耐歴代マシンで明らかにしていますので、ご愛読のほどよろしくお願いします(笑)。